地場工務店様に対して、住宅営業やSNS活用や運用支援、集客戦略やイベント立案等の総合コンサルティングを行なっているReframe(リフレーム)株式会社の天田です。
近年、住宅営業において「資金不安」が原因で検討が止まるケースが急増しています。本記事では、その背景と解決策として現在開発しているAIライフプランシミュレーションについてご紹介します。
― 資金不安で止まる住宅営業を変えるために ―
住宅営業の現場で明らかに変化していることがあります。
それは「性能」や「デザイン」よりも先に、資金への不安が検討を止めてしまうケースが増えていることです。
以前であれば、間取りや仕様の打ち合わせが進み、その延長線上で資金計画を行う流れが一般的でした。しかし現在は、物価上昇や住宅価格の高騰により、お客様の判断基準が大きく変わっています。
「本当にこの金額で建てて大丈夫なのか」
「将来の生活に影響は出ないのか」
この疑問に明確に答えられないと、商談は前に進みません。
多くの資金相談は“感覚”で行われている
実際の住宅営業では、次のような資金相談が少なくありません。
- 年収倍率を基準に借入可能額を提示する
- 「皆さんこのくらい借りています」と説明する
- Excelの資金表はあるが担当者ごとに内容が違う
- 教育費や車の買い替えなど将来支出が反映されていない
もちろん間違いではありませんが、これではお客様の本当の不安は解消されません。
お客様が知りたいのは「いくら借りられるか」ではなく、
「この家を建てても生活は安定するのか」 だからです。
住宅は“人生の支出の一部”でしかない
住宅ローンは人生最大の支出と言われますが、実際にはそれ単体では判断できません。
例えば、
- 子どもの進学による教育費のピーク
- 車の買い替えタイミング
- 共働き収入の変化
- 老後に向けた支出
これらが重なるタイミングによって、同じ年収でも家計の余裕は大きく変わります。
つまり住宅提案とは、本来「建物の提案」ではなく、
将来の暮らし全体を見据えた提案であるべきだと私たちは考えています。
工務店の現場で使えるライフプランシミュレーションを開発しています
こうした背景から、現在私たちは工務店の商談現場で実際に使えるライフプランシミュレーションを開発しています。
一般的なFPツールは非常に高機能ですが、その分入力項目が多く、商談中に扱うにはハードルが高いという課題があります。
そこで今回のシステムでは、
- 最小限の入力で将来の家計推移を可視化
- 教育費や車の買い替えなど現実的な支出を自動反映
- 商談中でも数分でシミュレーション可能
という「現場で使えること」を最優先に設計しています。
営業担当とお客様が同じ画面を見ながら将来を確認できるため、資金の話が“説明”ではなく“共有”に変わります。
AIによる診断・アドバイス機能を搭載
今回のライフプランシミュレーションでは、単に将来の収支をグラフ化するだけではなく、
AIによる診断・アドバイス機能を組み込んでいます。
これは単なる自動化ではなく、住宅営業における「説明のDX」を目的とした機能です。
従来の資金計画では、数値結果を見ながら営業担当者が説明を行う必要がありました。しかし実際には、同じ数字を見てもお客様によって理解度や受け取り方は大きく異なります。
そこで本システムでは、シミュレーション結果をAIが分析し、
- 将来的に家計負担が大きくなるタイミング
- 教育費や住宅ローンが重なるリスク
- 家計に余裕が生まれる時期
- 無理のない住宅予算の考え方
などを、自動で文章として生成します。
これは単なる自動コメントではなく、入力された家族構成・収入・ライフイベントを踏まえて、世帯ごとに異なるアドバイスを生成する仕組みです。
AIによる診断は、単なる予測ではなく、複数のシミュレーションパターンを基にした客観的な指標に基づいています。
なぜAIを組み合わせるのか
住宅営業における資金相談では、「説明する側」と「理解する側」に情報差が生まれやすいという課題があります。
AIが診断結果を言語化することで、
- 営業担当者の経験値に依存しない説明が可能になる
- お客様が第三者視点で状況を理解できる
- 商談の納得度が高まる
という変化が生まれます。
つまりAIは営業を置き換えるものではなく、
『営業とお客様の共通理解をつくる“翻訳役”』として機能します。
工務店DXとしての位置づけ
私たちはAIを「最新技術」として導入しているわけではありません。
目的はあくまで、工務店の現場で起きている
- 資金不安による検討停止
- 説明の属人化
- 提案品質のばらつき
といった課題を解消することです。
AIによって診断と説明のベースを標準化することで、新人営業担当者でも、入社初月からベテランFP級の説得力を持った資金説明が可能になります。
これは単なるツール開発ではなく、
住宅営業そのものをアップデートするDXの一歩だと考えています。
開発を進める中で見えてきたこと
実際にシミュレーション設計を進める中で、いくつか共通する傾向が見えてきました。
- 車の買い替えが家計に与える影響は想像以上に大きい
- 教育費のピークと住宅ローン初期が重なりやすい
- 同じ年収でも「余裕が出る年」は世帯ごとに全く異なる
つまり問題は年収ではなく、支出のタイミングにあるケースが多いのです。
これからの住宅営業に必要なもの
これからの住宅営業は、「家を売る営業」から、
安心して暮らせる未来を一緒に設計する営業へ変わっていくと感じています。
そのためには、感覚や経験だけに頼るのではなく、将来を可視化し、共通認識を持ちながら提案を進めることが重要になります。
現在開発しているライフプランシミュレーションも、そうした新しい住宅提案を支える仕組みの一つです。今後は実際の商談現場での検証を重ねながら、より工務店の現場に適した形へと改善を続けていく予定です。
資金提案の質そのものが、これからの工務店の競争力になっていく——私たちはそう考えています。
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